ページの先頭です。本文を読み飛ばして、このサイトのメニューなどを読む
本気。久しぶりに札幌で行われるスタンダードの大きなイベントとあって、参加者の目はどれも心なしかギラついて見えるのは気のせいだろうか。参加者の関係で通過人数が変わる瀬戸際で、危うく私がスタッフTシャツを脱ぎ捨てプレイヤーとして参加の危機もあったのだが、無事33名の参加者となり通過者は4名となった。
1位と2位には78,000円のトラベルマネーと大量のパックが贈られるのだが、3位と4位にも主催者より往復の航空券が送られるという言わば「GO日選」とも言える本イベント。是非とも日頃の練習の成果を十分に発揮して欲しいものだ。
そして、通過した方々には本戦での活躍を期待したい。
―― 「本日はお疲れ様でした、おめでとうございます」
加藤 「ありがとうございます」
―― 「今日使用したデッキと、それを選んだ理由を教えて下さい」
加藤 「俗に言うSuperFriendsで、一言で言うなら安定感です。2マナ圏のキャントリップ8枚が凄くデッキの潤滑油で、サイドで抜きすぎると事故って死にます」
―― 「今日一日を通して印象的だったプレイは何でしたか?」
加藤 「《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》を相手と一緒に張り合って、両方カウンターが4個乗って天使を出し合った後、《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》の最終奥義が発動して、《審判の日/Day of Judgment》打って殴って勝ちました」
―― 「日本選手権本戦への意気込みをお願いします」
加藤 「楽しんできます! アーティストサイン会ってやるんですか?」
編注:アーティストサイン会にはVolkan Baga氏とMike Bierek氏が来場予定です。
―― 「ちなみに写真にもあるとおり、もの凄い量のFoilカードですね」
加藤 「でも、集めてるのは”一応”土地だけです。今は《血の墓所/Blood Crypt》のFoilを募集中です」
―― 「ありがとうございました。本戦もがんばってください!」
加藤 「実力が伴わないのにデッキの強さで今日は勝ってしまったと思うので、本戦までには腕を磨いて北海道代表として恥ずかしくない戦いをしてきたいと思います」
―― 本日はマジックを始めて2ヶ月、プレミアイベント初参加でトップ8まで上り詰めた後藤さんに少しお話をいただきたいと思います。宜しくお願いします。
後藤 「宜しくお願いします」
―― 「後藤さんの今日のデッキは、今日フィーチャーされた対戦があったので、後日カバレージにも掲載されると思うのですが、同盟者デッキということで、これで大会に参加しようと思った経緯を教えてください」
後藤 「最初、マジックを始めたときに店長の小坂さんがくれたのが白黒同盟者デッキだったんです。そのうち赤とか緑のでかいクリーチャーを出すのが楽しくなってきてた所に、ストックホルムで9-0した同盟者デッキをその小坂さんが教えてくれて、じゃあこれを作ろうぜってことで、作り出したという感じです」
―― 「そして、そのデッキで今日日本選手権予選トップ8になるわけですが、調整などはどうやってしていたんですか?」
後藤 「ショップの周りの人達にいろいろ教えて貰って今の形になりました。FNMでも優勝したりできたんで、それなら大きいイベントらしいし賞品も凄いので日本選手権予選に出ようかなと」
―― 「今日一日を振り返ってどうでしたか?」
後藤 「ただただ疲れました。まだプレイングに関しては詰められる場所がいっぱいあるなぁと。」
―― 「今後の抱負を聞かせてください」
後藤 「今のプレイングではとてもこれ以上の上は目指せないというのを痛感しました。もっとプレイングを磨いていきたいと思っています」
―― 「ありがとうございました。最後に一言何かあればお願いします」
後藤 「次もがんばります!」
既に日本選手権への切符は手にしている両者。残すは78000円のトラベルマネーか、往復航空券のみかという格差社会だ。
ここまで勝ち上がってきた両者の技量を、とくとご覧あれ。
先手の寺田がテイクマリガン。1ターン目に《貴族の教主/Noble Hierarch》をプレイしたが、1枚《広がりゆく海/Spreading Seas》されたこともあって4ターン目まで土地を置くのみとなってしまう。ちらっと手札を覗くと、更に4枚の土地が……。マリガン後ということもあって、かなり深刻なマナフラッドに陥ってしまっているようだ。
対する加藤は先述した《広がりゆく海》と《予言/Divination》でドローを伸ばし、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》で寺田唯一のクリーチャーである《貴族の教主》を-2能力で破壊、その後も土地を置くことしかできないでいる寺田に6/6の《ギデオン・ジュラ》が襲い掛かった。それを《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》が後押しする。
なんとか引き込んできた《悪斬の天使/Baneslayer Angel》で盤面を押し返したいところだったが、無常にも《審判の日/Day of Judgment》が戦場を照らし、《ギデオン・ジュラ》が正に一人で全てをやってのけた。
寺田 0-1 加藤
1ゲーム目は全く良い所の無かった寺田だったが、2ゲーム目は《貴族の教主》から《聖遺の騎士》と順調な展開。是非ともマジックをプレイして欲しいものだ。加藤もこれを押し留める《前兆の壁/Wall of Omens》を召喚し、フェッチランドで5/5まで育っていた《聖遺の騎士》をブロックしてひとまず役目は果たした。
先ほどの鬱憤を晴らすかのように寺田は《復讐のアジャニ》で加藤の土地を縛りに掛かる。プレインスウォーカーにしろ《審判の日》にしろ、4マナからが勝負の加藤にとってはこれはかなり厳しい展開。ライフは寺田17-7加藤。
なんとか《復讐のアジャニ》は《忘却の輪/Oblivion Ring》で彼方に消し飛ばしたが、寺田は追加で《不屈の随員》と《精神を刻む者、ジェイス》をも加えるブンブンモード。
僅かな期待を込め、延命の為にプレイした加藤の《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》には見た瞬間に手札から《否認/Negate》。
次のターンのアタックで死んでしまうことが確定した加藤は
加藤 「うーん、難しいな」
と、サイドボードに手を掛けながら何度も呟いた。
寺田 1-1 加藤
寺田は緑マナが無いハンドをまたもマリガン。6枚になった手札にも緑マナを生み出せる土地が無く、痛恨のダブルマリガンとなってしまった。加藤は4枚の土地、《否定の壁/Wall of Denial》《瞬間凍結/Flashfreeze》《審判の日》の手札を7枚でキ-プした。
寺田はダブルマリガン後、2枚の土地にはめぐり合えたもののそこで土地枚数がストップした上に今度は白マナが無く、手札の《クァーサルの群れ魔道士》すら召喚できない。
対する加藤は順調に土地を伸ばし、6枚並べてからの《遍歴の騎士、エルズペス》は即座に《否認》された。1ゲーム目とは違い、いまいち寺田の事故に漬け込めない。
そうこうしているうちに白マナも得て、土地が5枚まで伸びた寺田はまず《不屈の随員》。これを《瞬間凍結》で打ち消して対処した加藤は、寺田の後続《聖遺の騎士》も《忘却の輪》で処理。
だが寺田の《精神を刻む者、ジェイス》には対処することができず、無事寺田は+0能力を起動してドローを確認する。ここで《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》を引き当て即プレイして+1能力を起動。足りなかった赤マナも引き当てて、手札で腐っていた《復讐のアジャニ》が場に登場した。
加藤は《軍部政変/Martial Coup》X=8でトークンを生み出し、場にプレインズウォーカーが3体並ぶ寺田の場をなんとか切り崩そうとする。ブロッカーとして《貴族の教主》のみが立っている状態で、8体のうち4体で忠誠度3の《精神を刻む者、ジェイス》を攻撃、残りで忠誠度5の《復讐のアジャニ》を攻撃し、《精神を刻む者、ジェイス》を討ち取った上で《復讐のアジャニ》の忠誠度を1まで引き下げた。
ここで寺田が必殺兵器《失われたアラーラの君主/Sovereigns of Lost Alara》を召喚。その後で《貴族の教主》1体で攻撃すると、これが通されて《エルドラージの徴兵》がエンチャントされる。《否定の壁》で受けた加藤のライフはごっそり削り取られたが、まだ死んではいない。ライフは寺田17-14加藤。
そして加藤はトークンで《復讐のアジャニ》を倒してからの《審判の日》。さらに《ギデオン・ジュラ》が援軍に駆けつけたが、寺田は《野生語りのガラク》からの象トークンと《精神を刻む者、ジェイス》2枚目で防御を固め、そう簡単には主導権を離さない。
加藤はここが勝負所と見たか、《野生語りのガラク》のトークン1体のみへ《審判の日》。これを通すと《ギデオン・ジュラ》に《精神を刻む者、ジェイス》がやられてしまう為、《否認》でカウンターするのだが、加藤は一気に2枚目の《審判の日》を唱える!
しょうがなく通すしかなかった寺田の《精神を刻む者、ジェイス》は《ギデオン・ジュラ》に倒され、加藤の後続が《復讐のアジャニ》だったこともあって、次々に寺田のクリーチャーが2体のプレインズウォーカーに倒されていく。
そしてダメ押しとなる《遍歴の騎士、エルズペス》が登場すると、寺田は苦笑しながらカードを畳むしかなかった。
そして日本選手権北海道予選、優勝は、加藤慎!
寺田 1-2 加藤
徴兵バントを操る溝渕、そしてプレインズウォーカーコントロールで勝ち上がってきた加藤。
後手の溝渕が2ターン目に《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》を召喚する立ち上がり。続くターンに《霧深い雨林/Misty Rainforest》をフェッチしてして《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を呼び出した。+3/+3能力を起動して5点のアタックが通り、加藤のライフを15に引き落とした。
加藤は《予言/Divination》で手札を引き増しつつ《遍歴の騎士、エルズペス》を対消滅した。が、これでフルタップなのを見ると溝渕は2体目の《水蓮のコブラ》とフェッチランドから《失われたアラーラの君主/Sovereigns of Lost Alara》を唱え、《水蓮のコブラ》が《エルドラージの徴兵/Eldrazi Conscription》と賛美で13/13となって加藤のライフは残り2点だ。
なんとかこの場を《審判の日/Day of Judgment》で流した加藤。溝渕の後続である《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》も《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》のバウンス能力で手札に返し、もう暫しの猶予を得た。
《水蓮のコブラ》を失った溝渕はマナがいまいち伸びず、戻された《聖遺の騎士》を出しただけでエンドとなってしまった。その上加藤の《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》が溝渕唯一の緑マナである《森/Forest》を縛り、次第に盤面は加藤のペースに。
4度呼び出された《聖遺の騎士》を《軍部政変/Martial Coup》X=6で流し、一転して攻勢に出る加藤。《天界の列柱/Celestial Colonnade》をもアタッカーに加え、溝渕のライフを一気に削り取る。
2回目のフルアタックが行われた後、残された溝渕のライフは3で、加藤がカウンターの3つ乗った《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》を指し示すと、溝渕はカードを畳んだ。
溝渕 0-1 加藤
先攻の溝渕は幸先良く《貴族の教主》。続けて《聖遺の騎士》を呼び出した。手札には《否認/Negate》が握られている為、かなり安定したゲームプランになりそうだ。
《聖遺の騎士》に打たれた《流刑への道》は、長考の末通すことにした溝渕。《前兆の壁/Wall of Omens》で粘る構えの加藤に対し、《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》を2連続で召喚。加藤は《審判の日/Day of Judgment》を握っているのだが、溝渕も先ほど温存した《否認》がある。
果たして加藤の放った《審判の日》は《否認》されることとなった。
溝渕は更に《精神を刻む者、ジェイス》で攻撃に厚みを加えようとする。1度攻撃は食らってしまったものの、2枚目の《審判の日》は無事通ってきれいな場になった。ライフは溝渕18-13加藤。
溝渕はここで更に長考。6枚の土地と、3枚の手札が《悪斬の天使/Baneslayer Angel》《貴族の教主》《不屈の随員》という状況から、後者の2枚を唱えた。加藤はひとまず溝渕の《天界の列柱》に《広がりゆく海/Spreading Seas》をエンチャントする。
ここでついに8マナまで伸びた溝渕。フルタップの加藤に対して《エルドラージの徴兵》を手札から《不屈の随員》にエンチャント!
残りライフの少ない加藤は痛烈な一撃に耐えられなかった。
溝渕 1-1 加藤
溝渕はまたも軽快に《水蓮のコブラ》をプレイするが、もうこりごりとばかりに加藤は《忘却の輪》で対処した。更に《貴族の教主》を2体追加してマナベースを確保する。
ここまでに《広がりゆく海》を3連打してドローを進めた加藤は、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》を唱えて+2能力を使用、丁寧にライフを守っていく。
《ギデオン・ジュラ》に対して殴りかかった後、《悪斬の天使》を加えたが、加藤の《精神を刻む者、ジェイス》が《悪斬の天使》を手札に返し、《ギデオン・ジュラ》の真ん中の能力が《不屈の随員》を屠る。
攻め手の途切れた溝渕は、再度《悪斬の天使》と、《クァーサルの群れ魔道士》を加えて状況の打開を図りたい所だが、《ギデオン・ジュラ》《精神を刻む者、ジェイス》に《復讐のアジャニ》まで参戦してしまうと全く攻撃が通らなくなってしまった。
そこに追い討ちの《軍部政変/Martial Coup》X-6!
まっさらになった盤面を《ギデオン・ジュラ》が走り抜けて、ライフは溝渕11-10加藤。
溝渕は引いた手札を一睨みしたが、次にトークンをも従えた《ギデオン・ジュラ》の攻撃に対応手段が無く、
溝渕 「ありがとうございました!」
と、言って潔く右手を差し出した。
溝渕 1-2 加藤
溝渕 「3戦目のマリガンミスが敗因です。他のデッキになら勝てるハンドだったんでついキープしちゃいましたけど、あのデッキ(加藤のPWコン)相手には有効牌が少なすぎましたね」
惜しくも日本選手権への切符は手に入らなかったが、溝渕はGP仙台にも遠征するそうで、そこでの好成績を期待したい。
そしてまずは往復航空券と日本選手権への権利を獲得した加藤、おめでとう!
上位卓の多くがIDを選択する中、唯一下当たりしてしまった木村。木村のオポーネントマッチパーセンテージがかなり低めな上、現在3-2な千葉のそれは最上位で、千葉が勝てば4-2が2人決勝に残るだろうという情勢だ。
木村は取り合えず「お願いします!」と叫んではみるものの、勝ちで抜ける千葉の首が縦に振られるはずもなく。開始前に「カズのデッキがいつものなら勝率は五分五分」と語ってくれた千葉。またもムーブメントを巻き起こし、今日のblogで叫び大口が見られるのだろうか。それとも、ベビーフェイスの木村が悪の枢軸を打ち砕くのか。
千葉 「3マッチ連続で事故とかマジでないわー……」
開始早々マリガントラブルに襲われてしまった悪の枢軸。マリガン数がひとつ、ふたつ、そしてまさかのみっつ……と続くに連れて表情が曇りだす。
千葉 「俺これで土地と《吠えたける鉱山/Howling Mine》じゃなかったら時間ないし投了するわ」
そして千葉の手札には、土地が無かった。
千葉 0-1 木村
千葉 「俺、もうこのマッチ取れないよ……」
らしからぬ弱音まで吐くことになってしまった千葉。
そして開いた7枚の手札には、3枚の境界石と、……0枚の土地。
無事6枚になった手札には《島/Island》と2枚の境界石、そしてキーカードの《吠えたける鉱山》が。マリガン後にしてはかなりの良ハンドでゲームがスタートした。
……のだが、《吠えたける鉱山》を置いた返しのターンに、2枚の《強迫/Duress》が木村から放たれ、千葉の手札をズタズタにした。その上で《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》が頼みの《吠えたける鉱山》を破壊する。
手札に《蔵の開放/Open the Vaults》があるので、6マナまで伸びれば《ガラス塵の大男/Glassdust Hulk》や《時間のねじれ/Time Warp》からの勝ちも見えなくも無い。更に《真髄の針/Pithing Needle》で《時の篩/Time Sieve》を指定されたが、木村が全くクロックを用意できていないのも追い風だ。
千葉は《万華石/Kaleidostone》、《万華石/Kaleidostone》と繋いで奇跡の《吠えたける鉱山》! だがこれも返しのターンに「パルス引いた!」と叫んだ木村に叩き割られる。
それでも諦めない千葉のドローは《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》。真ん中の能力で《吠えたける鉱山》を場に出した。木村はまだ《怒り狂う山峡/Raging Ravine》1枚のみしか千葉にダメージを与える手段を持たず、起動して《求道者テゼレット》目掛けて攻撃、どうしようもない千葉は《求道者テゼレット》を墓地へ置いた。
が、なんとここで《蔵の開放》を再度引き込んでいた千葉、《万華石》を生け贄に捧げながらこれを唱えて3枚ドロー、場に《吠えたける鉱山》が3枚マナも7マナと、《真髄の針》さえ処理できれば勝てる場になってきた。
木村はやっと殴れるクリーチャーを場に出し始め、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》で千葉のライフを落としに掛かる。3枚目の《強迫》で公開された千葉の手札は、3枚の土地と《ガラス塵の大男》《ヴァレロンの異国者/Valeron Outlander》。残りライフ9の千葉はもう何かを引いてくるしかない。
2枚目の《ガラス塵の大男》と《ヴァレロンの異国者》を唱えて、1枚目の《ガラス塵の大男》の能力を誘発させた。5点の攻撃が通って木村のライフも実はあと9。千葉は《ガラス塵の大男》で殴り勝つプランだ。返しの木村のフルアタックは、《吠えたける鉱山》で4枚引いたうちにあった《天使歌/Angelsong》でいなして勝利への道筋を繋ぐ。
そして千葉のメインフェイズ、2枚のディストリ……ではなくアーティファクトを唱えると、木村はカードを片付けた。
千葉 1-1 木村
マリガンの恐怖に怯える千葉。今回は無事に1枚の土地と境界石、そしてまたも《吠えたける鉱山》が手札にある良ハンドを手に入れた。
のだが、2マナでるターンになぜか《吠えたける鉱山》ではなく《万華石》を優先してプレイした千葉。結果的に木村が《大渦の脈動》を持っていて《原霧の境界石/Fieldmist Borderpost》に打ってくれたのでナイスプレイだったのだが、意図したプレイだとしたら流石の一言である。
木村は4ターン目に《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》。これでまたも《大渦の脈動》がめくれて《原霧の境界石》を再度破壊。千葉のマナベースを攻め立てる。更に追加のアタッカーとして《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を唱え、これらがフルアタックを何度か繰り返すと、一度は《天使歌》で凌いだものの力及ばず、ジャンドという王道の前に邪道は膝を屈することとなった。
千葉 1-2 木村
―― 「あの時先に《吠えたける鉱山》を出さなかったのは《大渦の脈動》を警戒した意図的なプレイだったんでしょうか?」
千葉 「あれは100%出さない。結局《万華石》で1ドローできるから最序盤に相手に1枚引かせる理由が無いし、勿論《大渦の脈動》で割られた時のリスクを考えてもそう。自分の手札と相談だけど、さっきの手札はドローを伸ばしたい手札だったからね」
いやはや、マジックは奥が深い。
3勝1敗ラインでの対決となった両雄。共に北海道のトーナメントマジックシーンの先頭を走る人物であることは自他共に認める所だろう。
2回もの日選出場経験のある秋元のデッキは今大会でも猛威を振るっている徴兵バント。大会開始前に本人にデッキ選択の理由を聞いたのだが、「ブン回りで勝てるデッキ」ということでの選択だそうだ。
ここ暫くスタンダードで好成績を残している古豪の角井は、最近愛用している変身デッキを持ち込んで来た。良く見る変身デッキのレシピと比べると2枚採用されている《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》が印象的だ。
4-2でもオポ上位が1人決勝へ残れるかどうか、確実に決めるならこの対戦を勝って次はIDをしたい所。プレインズウォーカーが多く含まれるデッキ対決となったが、より多くのプレインズウォーカーの力を借りることが出来た者が、より勝利に近づく事は想像に難くない。
2ターン目に《貴族の教主/Noble Hierarch》から《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》へと繋いだ秋元。角井は3ターン目の《聖遺の騎士》を《忘却の輪/Oblivion Ring》で対処し、続けて《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を自陣に呼び出し、1/1トークンを生産してターンを終了した。
秋元は《変身/Polymorph》での即死を防ぐため、まずトークンに対して《精神を刻む者、ジェイス》の-1能力を起動、バウンスしてから2体目の《聖遺の騎士》。角井も《変身》はすでに手札にはあるのだが、1枚のインスタント除去(例えば《流刑への道》)でプランが崩れることを恐れてまだ動かないようだ。《思案/Ponder》を唱えて手札の充実を図った。
これを見て秋元は《貴族の教主》での1点パンチを継続した後、《聖遺の騎士》を残したまま《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》を唱えた。+2能力を起動してアタックを強要する。
どうせアタックするなら《ギデオン・ジュラ》も道連れにしたい角井、《天界の列柱/Celestial Colonnade》をクリーチャー化し、《遍歴の騎士、エルズペス》の+3/+3能力をトークンに使って攻撃を仕掛けた。だが、これは温存しておいた《聖遺の騎士》から《地盤の際/Tectonic Edge》を導き出して、《天界の列柱》を追放しようとする。角井はこれに対応して《天界の列柱》から白マナを生み出し、《聖遺の騎士》を再度追放した。
このやり取りの後ターン終了を宣言した角井。秋元は返しのターンに6マナへ到達して《失われたアラーラの君主/Sovereigns of Lost Alara》を召喚する。フルタップの角井はこれをどうにもすることが出来ず、《ギデオン・ジュラ》が賛美2つを受けて18/18での攻撃を仕掛けると、《貴族の教主》1点パンチとフェッチで16まで落ち込んでいた角井のライフはマイナスまで落ち込んだのだった。
秋元 1-0 角井
先攻の角井は《カルニの庭/Khalni Garden》からのスタート。秋元は2ターン目の《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》でまずは先手後手を入れ替え、続くターンに2体目の《水蓮のコブラ》を出してからフェッチランドセットと起動で3マナを生み出して《不屈の随員/Dauntless Escort》というブン回り状態だ。
しかし角井の手札も実はテンパイなのだった。手札に《変身》があり、秋元がフルタップの今こそ《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》爆誕のチャンスだったのだが、生憎手札にはタップインの土地しかない。泣く泣く《天界の列柱》を置いてターンエンドする。
秋元は後続として《精神を刻む者、ジェイス》で角井のライブラリトップを確認した。角井もプレインスウォーカーの力を借り、《遍歴の騎士、エルズペス》が駆けつけて《カルニの庭》トークンを+3/+3。これが《精神を刻む者、ジェイス》に殴り掛かって忠誠度を2まで削り落とした。更なる布石として《目覚めの領域/Awakening Zone》を張る。
6マナに到達した秋元だが、手札から《失われたアラーラの君主》は出てこなかった。《水蓮のコブラ》と《不屈の随員》が《遍歴の騎士、エルズペス》を討ち果たすが、なかなか角井のライフに大きく訴えることが出来ない。次のターンにはフルアタックでやっと5点のダメージを与え、《聖遺の騎士》を追加して場を固めに掛かる。ライフは秋元20-9角井だ。
5枚の土地と落とし子トークン1個、手札に《変身》と《瞬間凍結/Flashfreeze》に《否認/Negate》を抱える角井はまだ動けない。秋元の味方として馳せ参じている《精神を刻む者、ジェイス》が睨みを利かせている為、《変身》できるクリーチャーが《引き裂かれし永劫、エムラクール》と《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》である角井は動きようが無い。
秋元の攻撃宣言に対して《天界の列柱》を起動してなんとかライフを守ろうとしたが、その《天界の列柱》での白マナで《聖遺の騎士》に《流刑への道》を打とうとした所で秋元が力強く《否認》!
日本選手権出場経験者の秋元が4-1まで星を伸ばし、次戦でのIDで決勝進出を濃厚にした。
秋元 2-0 角井
バントビートダウンデッキを操る渡辺は、最近流行の兆しのある《失われたアラーラの君主/Sovereigns of Lost Alara》型のようだ。
寺田も実は同キャラの徴兵バントなのだが、普段仕事の都合でショップに通えない為、調整はもっぱらMOでしているそうだ。 元々徴兵バントはMO発なデッキということで有名で、寺田も徴兵バントを使い出してからレーティングを100以上上積みしてるらしく、かなり今後にも期待できそうだ。
ここで勝ったプレイヤーが一気に決勝へと近づくこととなる。
先手の渡辺は2ターン目に《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》、3ターン目にも《水蓮のコブラ》を置いてから《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》をプレイして起動した。5マナを生み出して更に《極楽鳥/Birds of Paradise》と《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk》を追加するというロケットスタートだ。
後手の寺田も良いスタートを切った。《極楽鳥》《貴族の教主/Noble Hierarch》でマナブーストして、《不屈の随員/Dauntless Escort》をまずは召喚。バント同系の様相を呈してきた。
《ロウクスの戦修道士》で攻撃してから《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》を場に加えた渡辺に対し、寺田は《失われたアラーラの君主/Sovereigns of Lost Alara》を唱えてからの《不屈の随員/Dauntless Escort》1体で攻撃。渡辺はこれをインスタントタイミングで除去することができず、山札から探し出して付けられたエンチャントは勿論《エルドラージの徴兵/Eldrazi Conscription》だ。
返しのメインフェイズでも対応策がなかった渡辺は13/13に2発目を殴られるよりはと、投了を選んだ。
渡辺 1-0 寺田
寺田 「これはブン回ったほうが勝ちだなー」 渡辺 「俺も徴兵するしかなかった……!」
鮮やかな4ターンキルを決めた寺田。このまま3連勝を決めたいところだが、初手が1ランド+《貴族の教主》で渋い顔。ところが意を決してキープすると最初のドローが《山》で、《聖遺の騎士》を唱えるなかなかの立ち上がりとなった。
渡辺はこの《聖遺の騎士》を《バントの魔除け/Bant Charm》で除去してターンエンド。なんと《沸騰する小湖/Scalding Tarn》をも引き込んだ寺田は4マナに到達し、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を助太刀に呼び出した。このジェイスは3枚のカードを寺田にもたらし、クロックの低い渡辺の攻撃陣からの打撃に耐えて場に残ることとなる。更に《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》をも追加して《貴族の教主》を指定し、渡辺のマナを縛りにかかった。完全に状況は寺田のペースだ。
手札に《悪斬の天使/Baneslayer Angel》と《失われたアラーラの君主》を持っているものの、マナがいまいち足りない為に思うように動けない渡辺。寺田がアタッカーとして召喚した《聖遺の騎士》をまたも《バントの魔除け》で除去する。
しかし《精神を刻む者、ジェイス》とフェッチランドのおかげで全く寺田の後続は途絶えなかった。3種類目のプレインズウォーカーとしてご登場頂いたのは《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》!
この《野生語りのガラク》がトークンを生み出してエンドした為、フルタップの隙をついての《天界の列柱/Celestial Colonnade》の攻撃で《精神を刻む者、ジェイス》はなんとか打ち落とした。
……が、6マナに到達した寺田は当然のように《失われたアラーラの君主》。3/3のビーストトークンが突如13/13へと成長し、予選通過へ貴重な3連勝目を積み上げた。
渡辺 0-2 寺田
後藤は「BJ SHOP 札幌店」でマジックをプレイしている大学生プレイヤーだ。ピンクのフリースが良く似合うジャニーズ系のイケメンで、おっとりしたキャラクターも相まって、ショップのアイドル的存在だと言われている。マジックを始めたのは3ヶ月前だが、彼の操る同盟者デッキはBJ SHOPで開催されているFNMでも好成績を残し、自信を深めての日本選手権予選参戦となった。
対する香川は多少アグレッシブ寄りの白青デッキ。メインから搭載されているジャンドメタの《真心の光を放つ者/Devout Lightcaster》が印象的だ。前回カバレージにご協力いただいた時もそうだったが、本名は大人の事情でいろいろ不味いということで、今回も仮名でのカバレージ登場となる。手馴れたカード捌きのベテランは、新鋭にマジックの難しさを教えてやるつもりだ。
1ターン目に《ジャングルの祭殿/Jungle Shrine》、2ターン目に《ヘイラバズのドルイド/Harabaz Druid》とブンブンモードには程遠い最序盤となってしまった後藤。しかし香川も残念ながら初動が2ターン目の《清浄の名誉/Honor of the Pure》と遅い展開だ。
後藤はなんとか4ターン目に《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》を唱える。だがこれもデッキに4枚しか入っていない非クリーチャーの《ナヤの魔除け/Naya Charm》がめくれてしまい、更なる後続の《城壁の聖騎士/Talus Paladin》には香川の手札から《流刑への道/Path to Exile》が飛んだ。
5ターン目に引いてきた《真心の光を放つ者/Devout Lightcaster》を「ただのバニラクリーチャーだな……」と苦笑しつつ召喚し、攻撃してきた《血編み髪のエルフ》と相打ちすることを選択した。追加のクリーチャーとして《エイヴンの擬態術士/Aven Mimeomancer》を唱えるが、これもブロックに回して《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》を討ち取った。
土地が6枚並ぶに至り、ここまで《カザンドゥの刃の達人/Kazandu Blademaster》と《オラン=リーフの生き残り》を2体追加するのみに留まった後藤。香川が力強く唱えた《悪斬の天使/Baneslayer Angel》の前に対応策が無く、ただでさえ殆どダメージを与えられていない上に、見る見るうちに回復されてしまう。
香川はそのまま《悪斬の天使》で攻撃を続け、後藤も《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》を唱えてはみるものの対応策が無く、1本目は香川が先取した。
後藤 0-1 香川
先攻は後藤。2ターン目に《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》を唱えるが、土地が2枚で1ターン止まってしまった。無事
香川は《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》でのマナ加速から素早く《悪斬の天使》を召喚。ここはサイドインした《流刑への道》で事なきを得るのだが、続けて更に2体目の天使が香川の場に舞い降りる。
手札に《悪斬の天使》への対抗策が無い後藤は、なんとか場だけでも押し返しておきたいところなのだが、《カビーラの福音者/Kabira Evangel》は続く《城壁の聖騎士》を唱えたのにレスポンスで《流刑への道》されてしまった。だが、次のターンに唱えた《血編み髪のエルフ》が《カビーラの福音者》を連れてきたことで、プロテクション白を与えながら9点の絆魂ダメージを与える事に成功し、まだ勝負の行方は解らない。ライフは後藤22-13香川。
香川は《悪斬の天使》でアタックするのみでターンを返したが、返しのターンに後藤がプレイしたのは《血編み髪のエルフ》。これが《忘却の輪/Oblivion Ring》を呼び出し、《悪斬の天使》をも封じ込め、またも大ダメージを与えながらライフを回復する。
こうなってしまっては《審判の日/Day of Judgment》でも打たないとどうにもならない。《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》も追加して物量で押し勝った後藤は、同盟者デッキの本領発揮でゲームカウントをタイに戻した。
後藤 1-1 香川
先攻の香川は4枚の土地に《原霧の境界石/Fieldmist Borderpost》、《悪斬の天使》《エイヴンの擬態術士》というハンドを少考してキープ。それを聞いた後藤は即座にキープを宣言した。
3ゲーム目にして2ターン目にやっと《カザンドゥの刃の達人》を唱えた後藤。3ターン目、4ターン目には続けて《アクームの戦歌い/Akoum Battlesinger》を自軍に加えて総攻撃。なんと香川のライフはこれで2まで落ち込んでしまった。
香川 「すげー激しいんだけど……」
この猛攻をなんとか《審判の日》で一掃した香川。初手になかったこれを引き込んでいるあたり、なかなかに好調だ。ダメ押しで出てきた3体目の《アクームの戦歌い》に対しても《流刑への道》で対処、続けて出てきた《カザンドゥの刃の達人》は除去できないものの《悪斬の天使》を出して防御を固め、ここからの逆転に掛ける展開だ。
しかし後藤はにっこり笑って《カビーラの福音者》を手札から香川に見せ、そのプロテクション能力で白を宣言すると、香川は敗北を認め投了したのだった。
後藤 2-1 香川
●記者一覧