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カバレッジ

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 そろそろ雪祭りシーズンのここ札幌。外界は一面の銀世界に覆われているが、幸いにも大雪に見舞われる事もなく、数多くのプレインズウォーカー達が無事会場の東区民センターに到着した。冬期間のイベントでは、容易に公共交通機関がストップしてしまう為、この0回戦に勝利出来た事をお天道様に感謝、と言った所だろうか。

 ワールドウェイクの世界がジャンドに満たされた現スタンダード環境に一体どのような影響を与えるのか、近年ここ札幌でも大きな盛り上がりを見せているエターナル環境に激震を走らせるニューフェイスは存在するのか、カードリストを見ているだけでも浮き立つ気持ちを抑えられない皆様には、思う存分新しい呪文を唱えて頂こう。そのお手伝いをするべく、今回も総勢6名のスタッフがサポートに走り回る予定だ。

 マジックにあまり慣れていない方にお勧め、エントリーセットを使い、予め構築済みのデッキをスタッフと一緒に調整してデュエルできる「オープンデュエル」、6つのブースターパックからオリジナルのデッキを作って対戦する「プレリリースシールド」という2つのイベントを主軸に、昼からでも夕方からでも楽しめる「ブースタードラフト」や「午後からシールド」も加えて、皆様のご参加を心からお待ちしている。


土曜日
ラウンド1 庭山 歩 vs 青柳 竜馬
ラウンド3 福山 啓祐 vs 池田 一人
ラウンド4 木村 一生 vs 三浦 卓磨
ジャッジから見るワールドウェイク 小畑 志央

日曜日
ラウンド1 大高 直人 vs 藤崎 善行
ラウンド3 千 龍哉 vs 井上 清崇
ラウンド4 加藤 慎 vs 井上 真尚
会場にいる人に聞きました
・中野 甫
「俺ワールドウェイクノータッチだけどいいんですか? 夕方会場について、レガシーとエクテンを知り合いと回して遊んでました。ドラフトがやれたらと思って来てみたものの、参加できなかったのが残念です。エクテンは今シーズンは回さない予定だったので、Zooと発掘デッキで遊べたのは楽しかったですね。今日はこの後友達とご飯食べて帰ります」

・荒木 渉
「スタッフとしてプレミアイベントに初めて参加しました。自分はレガシーの大会(MagicFightClub)を主催しているのですが、スタッフとしてもプレイヤーとしてもそんなに長くマジックに関わっている訳ではないので、多くの経験をされている牧野さんやスタッフの方々と一緒に仕事をするのは、自分にとっていい経験になるのではないかと思ったのが動機でした。いつも自分がしている事と大きく違うと思った事はありませんでしたが、いくつか取り入れたい部分も見つかり、いい経験になったのではないかと思います」

・吉永 啓亮
「朝からのシールドと、午後からのシールド2つに参加しました。戦績は1-3と1-2だったんですけど、デッキが弱かった訳じゃないんじゃないかと思うんです。ちょっと相手の土地渡りに噛み合われたのと、まあ、相手が強かったんでしょうね(笑)。ワールドウェイクは多重キッカーが使ってて面白いですよね。後半も無駄にならないし、その分でM10よりも長引いた時の試合が接戦になりやすくていいです。個人的な好みとしてはもう少し使いやすい全体除去があればよかったのにと思います。一発逆転が好きなので(笑)」
 流石はミスタープレリリース、加藤は今回も当然のような顔をして全勝テーブルに座っている。レーシック手術をしてまさに視界も良好だ。

 勘のいい方はお気づきになられたかもしれない。「くらげ」こと井上は、先ほどフィーチャーされた井上(兄)の弟だ。出たレアが全部噛み合ったという自慢のレアデッキで、プレリ男に勝負を挑む。


Game1
 赤黒デッキの加藤と、青黒デッキの井上。

 ややマナフラッド気味な加藤は土地は並ぶが、決定的なクリーチャーを引いて来ないようで、井上が戦場に召喚した《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile》1体のみに《湿地での被災/Marsh Casualties》を打つような展開だ。が、後続の1回キッカーされた《泥地の吸血鬼/Quag Vampires》も《燻し/Smother》して、1/1や2/2で細かくダメージを積み重ね、3/2飛行までたどり着く。

 序盤もたついた上に、出すクリーチャー全てに対処されてしまった井上はデッキを片付けて次のゲームの為にシャッフルを始めた。

加藤 1-0 井上


Game2
 井上は《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》、2ターン目《腐敗したゼンディコン/Corrupted Zendikon》即攻撃とアグレッシブにライフを削りに行く。しかし3枚目の土地が手札に無いようで、

 井上「(引いたカードを見て)引けよ!」

 といいつつターンエンド。

 そんな井上を尻目に、最強2マナコモンクリーチャーこと《板金鎧の土百足/Plated Geopede》に《信頼おける山刀/Trusty Machete》を装備して上陸攻撃をする加藤。更に《グール・ドラズの死霊/Guul Draz Specter》をも加えた。

 井上はここで《猛火の松明/Blazing Torch》をドロー、場に出して《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》に装備してから《グール・ドラズの死霊/Guul Draz Specter》を除去するが、まだ2枚で止まってしまった土地が引けない。

 やっとの思いで《ハリマーの深み/Halimar Depths》を引いてきて山札を並び替え、土地には巡り合えたものの、

 加藤「まだだー!!」

 と気勢を上げつつ場に出していた最強3マナアンコモンクリーチャーこと《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》が《信頼おける山刀/Trusty Machete》を装備して攻撃、ライフレースで絶対的な優位に立たれてしまった。加藤という男は本当に容赦が無い。

 その後4/5飛行絆絆接死というバケモノが数度攻撃して、ゲームはあっさりと終わってしまった。

加藤 2-0 井上


 ワールドウェイクプレリリーストーナメントを制したのは、王者の貫禄を見せ付けた加藤 慎!
Game1
 お互いに《島》と《沼》を順調に置きながらクリーチャーを並べ、地上が睨み合いになった所で、千の《ギザ蜂の群れ/Jagwasp Swarm》と井上の《沼のぼろ布まとい/Bog Tatters》が軸をずらして攻撃を通そうとする。

 青黒デッキの両者から《墳墓の呪詛/Tomb Hex》や《猛火の松明/Blazing Torch》などの除去が乱れ飛び、地上に3/3や1/4などが並んで消耗戦の様相を呈して来た。数で上回る千の地上軍団を微妙に止められなくなっていた井上はライフを1まで低下させるが、コントロールしている《無謀な識者/Reckless Scholar》と《潮力の精霊/Tideforce Elemental》がまだもう少しだけ時間を与えてくれそうだ。

 が、《鞭打ちの罠/Whiplash Trap》が千の手札から放たれ、その細い希望の糸もぷつりと切れてしまった。

千 1-0 井上


Game2
 波に乗る千は、序盤から《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》《天空のアジサシ/Welkin Tern》というクリーチャー陣を、《破滅の槌/Hammer of Ruin》で強化して構築済みデッキばりのビートダウンを仕掛けた。

 これに対して飛行クリーチャーを防ぐ手段が無い井上は、やっと出せた《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》も1点しかドレイン出来ず、その上《破滅の槌/Hammer of Ruin》を装備した《天空のアジサシ/Welkin Tern》をブロックして相打ちとしてしまう。

 千は追加のクリーチャーとして《空の遺跡のドレイク/Sky Ruin Drake》と《腐敗したゼンディコン/Corrupted Zendikon》を準備、《空の遺跡のドレイク》が《破滅の槌》を持って4/5飛行となり、残り6となっている井上に襲い掛かる。

 どちらにしても飛行に対抗できるカードが早急に欲しい井上がプレイしたのは《無謀な識者/Reckless Scholar》と、期待は持てるもののいまいちピリッと来ず、結局最後まで飛行と《破滅の槌》のコラボレーションをどうにもできなかった井上。がっかりした表情で投了を宣言して、デッキを片付けた。

千 2-0 井上
 インベイジョンの頃マジックをプレイしていたという大高は、ゼンディカーからまたマジックに触れるようになった復帰組だ。今日は奥様と一緒に会場へ足を運んで頂いたのだが、普段は2人でマジックを遊んでいるそうで、正直うらやましい限りである。奥様はオープンデュエルに参加されていて、是非今日帰った後もワールドウェイクの世界に浸って欲しいものだ。

 対する藤崎は札幌レガシー界では名の知れたプレイヤーで、先日も50人規模で行われた大会を《ミシュラのアンク/Ankh of Mishra(4ED)》を搭載したフルバーンで優勝するという好成績を収めている。プレリは今回が初らしく、リミテッド環境には余り慣れていないとの事だが、その腕前を存分に発揮することだろう。


Game1
 藤崎が《境界線の隊長/Perimeter Captain》、大高が《クラーケンの幼子/Kraken Hatchling》を召喚するという0/4を並べあう立ち上がりとなった。先手を取ったのは藤崎、4/2の《破壊者のゼンディコン/Crusher Zendikon》で0/4を乗り越える準備をし、《コーシの荒廃者/Cosi’s Ravager》の上陸で本体へとダメージを通していく。

 逆に大高も、このプレリリース中各所で活躍している強力な装備品の《帆凧/Kitesail》を《湿地を縫う者/Marsh Threader》に装備して、航空戦力のいない藤崎へプレッシャーを与えた上で、《霊気の想像体/AEther Figment》をキッカー込みで召喚した。このブロックされづらい2体のパワー3クリーチャーは心強い。

 無事《巡礼者の目/Pilgrim’s Eye》で3/1飛行を相打ちに取り、《霊気の想像体/AEther Figment》に削りきられてしまう前になんとかしたい藤崎は《天界のマントル/Celestial Mantle》を《コーシの荒廃者/Cosi’s Ravager》にエンチャントして押しに掛かったが、これは温存されていた《イオナの裁き/Iona’s Judgment》が突き刺さる。

 本来なら《霊気の想像体/AEther Figment》を有している大高の方が有利なはずなのだが、ライフを攻められている為にブロックに回らざるを得ない上に、クリーチャーを引いて来ないのが痛く、毎ターン自陣にクリーチャーを加える藤崎に数で上回れてしまった。

 最後は満を持して5体でフルアタックを仕掛けた藤崎が、残りライフ3の大高を投了に追い込んだ。

大高 0-1 藤崎


Game2
 お互いにゆっくりとした展開となった第2ゲーム、またも攻勢に出たのは藤崎だった。3/3先制攻撃の《戦いのハルダ/Battle Hurda》《ゼクター祭殿の探検/Zektar Shrine Expedition》起動、《雨雲の翼/Nimbus Wings》付きの《コーの地図作り/Kor Cartographer》と並べて、大高に襲い掛かる。

 なんとか対抗しようと《麻痺の掌握/Paralyzing Grasp》と《ゴーマゾア/Gomazoa》で防御を固めるのだが、またも《天界のマントル/Celestial Mantle》が飛行付きの《コーの地図作り/Kor Cartographer》にエンチャントされてしまう。

 頼みの《ゴーマゾア/Gomazoa》も《イオナの裁き/Iona’s Judgment》で除去された大高は28点が倍になって56点となった藤崎のライフと5/6飛行の前に打つ手がなく、そのまま1ゲーム目と同じカードにやられてしまうのだった。

大高 0-2 藤崎
――今回は普段ジャッジとして活躍している小畑 志央さんにお話を伺いたいと思います。

小畑「はい、ありがとうございます」

――ワールドウェイクについて、まずざっと感想をお願いします。

小畑「ゼンディカーよりも更に土地にこだわったセットです。上陸というシステムをより生かす為に、コモンに能力付きの特殊土地がもう1サイクル収録されている事でもそれが解ると思います。」

――それは環境にどんな影響を与えるでしょうか?

小畑「リミテッドだと、上陸が単純に強いのですが、スタンダードなどの構築ではそれよりも土地をサーチしてくるようなもの、例えば《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary(CON)》のようなカードとのシナジーが大きな影響を与えると思います。ワールドウェイクのカードでいえば、コモンの黒い土地で墓地を追放する奴なんかはスタンダードだと《アガディームの墓所/Crypt of Agadeem》デッキに有効ですし、レガシーまで視点を広げると、《壌土からの生命/Life from the Loam(RAV)》デッキや発掘デッキに劇的な効果を発揮するかもしれません」

――ミシュラ土地(クリーチャー化する土地の俗称)はどうですか?

小畑「一番強そうなのは青黒の3マナ起動で3/2ブロックされないになる土地だと思いますね。赤緑も3/3で1回殴ると4/4になるというのはなかなか強いので、ジャンドに居場所があるかもしれません。ただ、タップインランドが多くなりすぎるので、《巨森、オラン=リーフ/Oran-Rief, the Vastwood》あたりと差し替わる可能性があります」

――では土地以外で注目のカードを教えてください

小畑「妥当なところだと《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》、エクステンデットで《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》を沢山殺しそうな《燻し/Smother》、それと《風のゼンディコン/Wind Zendikon》は是非使ってみたいカードです」

――《風のゼンディコン/Wind Zendikon》はどんなデッキに入りますか?

小畑「レガシーの話ですが、《壌土からの生命/Life from the Loam(RAV)》デッキや、42ランドに入れてみたいです。単純に《不毛の大地/Wasteland(TMP)》につけて特殊土地を2枚破壊するだけでどきどきしますよ。他にも失いたくない土地がある場合、例えば《アカデミーの廃墟/Academy Ruins(TSP)》なんかに取り合えず付けて置くと、壊されても戻ってくるので多少守れるのはいいかもしれません」

――リミテッドはワールドウェイクの参入でどう変化したと思いますか?

小畑「同盟者デッキが強化された気がします。青で2マナ1/3のライブラリを削る同盟者や、《ハーダの自由刃/Hada Freeblade》(1マナ0/1で出た時に+1/+1の白い同盟者)、同盟者のトークンを2つ出すインスタントなんかがかなり強いのではないでしょうか」

――色の勢力図としてはどうでしょうか

小畑「タフネスの高いクリーチャーが多く増えて地上が守りやすくなり、飛行で勝てるようになった青がまず強化されたと思います。ゼンディカーからあった《クラーケンの幼子/Kraken Hatchling》だけでなく、1/4被服の亀やさっき話をしたライブラリを削る同盟者も2マナ1/3と及第点ですね。他は一長一短です。緑はクリーチャーが軽くなって使い易くなり、黒は4マナ3/2飛行を得たのが大きいです。白は《巣立つグリフィン/Fledgling Griffin》《天頂の鷹/Apex Hawks》で飛行が強くなりました。もしかしたら赤は除去色が濃くなった分使いづらいかもしれません」

――他に何か気づいた部分はありますか?

小畑「色の勢力図というよりも、アーティファクトがかなり強化されましたね。コモンに《帆凧/Kitesail》があるのは凄く大きいと思います。出されて壊せないと負けるゲームが多くなるので、アーティファクト破壊の重要性は増しました。他にも3マナ1/1飛行で土地を手札に入れるクリーチャーや、2マナ1/1で手札の土地を場に出すクリーチャーも相手のターンに上陸できるのが悪くありません。4マナ2/2で上陸すると4/4になるクリーチャーも十分デッキに入る性能です。これが全部無色で、全てのデッキに入ってくるということは、ゼンディカーまでとはデッキの組み方自体が変化しそうです」

――思ったよりも強そうなカードがあれば教えてください

小畑「1黒黒で自分の墓地のクリーチャーカードをライブラリに戻して、そのパワー分のダメージを与えるソーサリーは見ていて強そうだと思いました。序盤でなければ2点は与えられるだろうし、一番厄介なクリーチャーを戻されてしまうのがうっとおしいです」

――最後に、ジャッジ的な視点からワールドウェイクについて語ってもらえますか?

小畑「難しいルールのカードが追加されなくて良かったです」

――ありがとうございました

小畑「いえいえいえ」
 隙を見せるとすぐに別のカードゲームを始めてしまう両名だが、マジックでも札幌の強豪プレイヤーである。共に今日のシールドデッキはそれ程強くないと言うが、プレイングの妙で勝ち上がってきたのだろう。全勝同士らしい緊迫したゲームになるのだろうか?銀貨を買うのもいいが、是非マジックでの腕前を見せて欲しいものだ。


Game1
 《信頼おける山刀/Trusty Machete》《無情な選刃/Ruthless Cullblade》、装備して攻撃、更にはやっと来たティムこと《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage》とテンポのいい動きを見せる木村。これを《護衛のゼンディコン/Guardian Zendikon》(2/6防衛)で受け止める展開なのは三浦だ。

 それまでの過程で2発殴られた後のライフが11な三浦は、《信頼おける山刀/Trusty Machete》が装備された《無情な選刃/Ruthless Cullblade》に三度攻撃されて仕方なくブロックする。案の定木村は《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage》で三浦本体を指定、ライフを10まで引き下げて《無情な選刃/Ruthless Cullblade》が4/3に育ち、装備で6/4となって《護衛のゼンディコン/Guardian Zendikon》を打ち破った。

 なんとか押しとどめたかった三浦だが、遅い手札をキープしてしまっていた為に何も出来ず、そのまま木村の6/4が三浦を押し潰した。

木村 1-0 三浦


Game2
 三浦はお返しとばかりに猛攻を仕掛ける事に成功する。《面晶体の流浪者/Hedron Rover》が《破滅の槌/Hammer of Ruin》を装備して押しながら、《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》や《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage》で地上もしっかりガードする。加えて《噴火滑り/Geyser Glider》、《巡礼者の目/Pilgrim’s Eye》、《コーシの荒廃者/Cosi’s Ravager》と毎ターン展開していく三浦だが、木村に全てをダブルブロックと除去で捌き切られてしまうと、お互いに決定打が無く膠着した盤面となった。《護衛のゼンディコン/Guardian Zendikon》の前には木村の《破滅的なミノタウルス/Ruinous Minotaur》も、もじもじするしかない。

 ここで先に決定打を引き込んだのは三浦だった。飛行持ちの《コーの空漁師/Kor Skyfisher》が《破滅の槌/Hammer of Ruin》を装備し、残りライフの少なかった木村は数度のアタックを経て投了した。

木村 1-1 三浦


Game3
 お互いに軽量のクリーチャーで速攻を仕掛けるタイプのデッキなこともあり、2人のゲームスピードが速すぎて正直記録が追い付かない程だ。

 三浦の召喚した生きている《ドラゴンの爪/Dragon's Claw(9ED)》こと《コーの火歩き/Kor Firewalker》が《破滅の槌/Hammer of Ruin》を装備して攻撃すると、赤黒デッキの木村は

 「これは負けたーー! 」
と、頭を抱える。

 その上木村は土地しか引けず、そのまま4/2プロテクション赤に殴られながら、手札の《噴出の稲妻/Burst Lightning》を恨めしげに見やった。

木村 1-2 三浦
 札幌マジック会の長老こと池田。古くはジャッジとして、今は一線を引きプレリにだけ遊びに来るプレイヤーとして、長くマジックに関わり続けている。今日もいつものようにシールドと平行してオープンデュエルにも参加していて、カード捌きは流石に手馴れたものだ。今日は軽くてコストパフォーマンスの良いクリーチャーが中心の赤白デッキを回している。

 対する福山は《死の影/Death’s Shadow》を《死の報い/Dead Reckoning》で戻して13点をクリーチャーに与えるコンボが搭載されている白黒デッキで勝ち上がってきた。《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》や《天頂の鷹/Apex Hawks》など多くの優秀なクリーチャーを《応報の罠/Nemesis Trap》や《帆凧/Kitesail》でバックアップする強力なデッキで、かなり期待ができそうな仕上がりとなっている。


Game1
 《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》2体と《巣立つグリフィン/Fledgling Griffin》をまず並べたのは福山。池田の《コーの空漁師/Kor Skyfisher》に構わず3体で攻撃してダメージを重ね、続けて《帆凧/Kitesail》を出しつつ即装備から手早くライフを詰めていくプランだ。

 《帆凧/Kitesail》が何よりのガンな池田は《タクタクの潰し屋/Tuktuk Scrapper》でそれを破壊、そして《連鎖反応/Chain Reaction》で場を一掃してから沼渡りの《湿地を縫う者/Marsh Threader》を戦場に呼び出し、《ぐらつく峰/Teetering Peaks》で強化したりしながらじわじわと追い詰める。

 福山はこの沼渡りを最後までどうにもできず、最後のターンに「1点足りないー」と言いながら《風をまとう突撃/Windborne Charge》を唱えて、場を片付けた。

福山 0-1 池田


Game2
 またも福山は《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》スタート。《巨大蠍/Giant Scorpion》《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》と続ける。池田も順調に《コーの空漁師/Kor Skyfisher》《溶鉄の荒廃者/Molten Ravager》、そして先ほどゲームを決めた《湿地を縫う者/Marsh Threader》を送り出し、伺うように2点の沼渡り攻撃を試みると、除去されずこれが通って福山13-14池田。

 ブロックされづらい《巨大蠍/Giant Scorpion》で1点づつのダメージを加える福山だが、《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》で毎ターン1点食らう上に沼渡りがまだ止まっていない為、ライフレースで大きく遅れを取っている。《巨大蠍/Giant Scorpion》はとうとう《業火の罠/Inferno Trap》で除去されたが、この状況を打開する為のカード、《天頂の鷹/Apex Hawks》を2回キッカーで4/4飛行として召喚した。

 池田は間の悪さに一瞬がっかりした表情を浮かべた。ひとまずは《雨雲の翼/Nimbus Wings》を《溶鉄の荒廃者/Molten Ravager》にエンチャントして、《コーの空漁師/Kor Skyfisher》と共に対空の構えとすると、やっぱり止まっていなかった沼渡りがコモンらしからぬ大仕事を果たし、1マッチを池田にプレゼントした。

福山 0-2 池田
 青柳は平成生まれのプレイヤーで、小学生の頃やっていたマジックにレガシーで最近復帰した。その後はかなり精力的に活動していて、色々な場所に顔を出しているのだが、一緒に復帰したはずの残り2人の友人と組んだユニットである「ゆとり3兄弟」のうち、自分以外の2人がなかなかマジックをしてくれないのが目下の不満らしい。

 庭山もマスクスの頃からの復帰組だ。同じくレガシーのイベントに参加してみてマジックをまたプレイしたくなり、プレリにも一緒に遊んでいる友人と足を運んだそうだ。今日のデッキはカードパワーは悪くないものの重いカードが多く、相手にゆっくりして貰えないと厳しそうだと語ってくれた。キーカードはなんと2枚引いた《組み合い鉤/Grappling Hook》だ。


Game1
 ダイスロールで7を振った青柳が、がっかりしながら相手にダイスを渡すと出た目が5。青柳が先攻を選んで、お互い7枚からのスタートとなった。

 1ターン目に《ハリマーの深み/Halimar Depths》で山札を整えた庭山が、2ターン目《風のゼンディコン/Wind Zendikon》、3ターン目《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》、4ターン目には上陸で複数回使えるタッパーの《潮力の精霊/Tideforce Elemental》と猛攻を掛ける。土地も順調に《沼》《平地》《島》と揃えながら5枚並んで、かなり磐石だ。対する青柳は《流砂/Quicksand》と白マナが出る土地を並べ続けるのみで、飛行軍団にライフを攻められる。

 この攻勢に気を良くしたのか、ついうっかり飛行を持たない《潮力の精霊/Tideforce Elemental》を攻撃に参加させてしまい、《流砂/Quicksand》に飲み込まれてしまうミスが出てしまったが、追加のアタッカーとして《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》と《サラカーの消し去り/Surrakar Banisher》を加えて主導権を維持しようとした。度重なる攻撃で青柳の残りライフは7だ。

 《オンドゥの僧侶/Ondu Cleric》しかクリーチャーを出せていない青柳は、ここで起死回生の布石となるかもしれない《変わり樹のレインジャー/Turntimber Ranger》を召喚したが時既に遅し。庭山がテンポの良い展開からの空襲で、青柳を打ち倒した。

庭山 1-0 青柳


Game2
 初手の7枚をちらっと見てため息をつき、明らかに手札が微妙そうな青柳が何かを振り切るような雰囲気でキープを宣言。同じくイマイチそうな顔の庭山もそのままキープ。

 先ほど全く見なかった《森》をセットして《東屋のエルフ/Arbor Elf》《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》《エメリアの光守り/Lightkeeper of Emeria》を4回キッカーして8ライフを得て延命、《雨雲の翼/Nimbus Wings》付きの5/6飛行は2枚目の《サラカーの消し去り/Surrakar Banisher》で手札にバウンス、4/4飛行は攻撃させてから《見栄え損ない/Disfigure》を撃ち込み、《エメリアの光守り》でブロックして捌いて見せた。

 ところが青柳は更にそれを上回る。《捕食者の衝動/Predatory Urge》がファッティにエンチャントされ闘技場に躍り出ると、庭山の手に解決策はもう無かった。

庭山 1-1 青柳


Game3
 序盤から攻めたプレイヤーが1本取り合うマッチとなったが、勝負を決める3ゲーム目で1ターン目から素晴らしい展開を見せたのは青柳だった。

 1ターン目 《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》
 2ターン目 《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》2体目 上陸攻撃
 3ターン目 《巣立つグリフィン/Fledgling Griffin》 上陸攻撃
 4ターン目 《灰色革の狩人/Graypelt Hunter》 上陸攻撃

 初動が《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile》と、遅い手札をキープしていた庭山の残りライフは既に8。青柳は続く5ターン目に《オンドゥの僧侶》を戦場に出して《灰色革の狩人/Graypelt Hunter》を3/3にしてから総攻撃すると、庭山は苦笑しながら投了を宣言した。

 両者が華麗な速攻を見せ合う好ゲームを制したのは青柳。

庭山 1-2 青柳

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